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微細な異物も見逃さない 「発見のプロ」を育てる改善の現場

微細な異物も見逃さない 「発見のプロ」を育てる改善の現場
指針

空港でおなじみのX線検査。近年、アパレル系の物流では、従来の「検針」に代わって需要が高まりつつあるという。
川口営業所では6年ほど前から、顧客の要望に応える形でX線検査装置を導入しており、運用の中心となっているのが寺田秋夫だ。

「6年前、私が担当しているお客様の要望で初めて導入しました。以来社内では、X線なら寺田だろう、ということで、X線検査を必要とするお客様は私が担当する流れになっています」。
「安全」を重視する風潮を追い風にX線検査の需要が増している
X線検査
X線検査装置は、服、靴、バッグなどの製品に混入した異物(針・釘など金属類やガラス片・石片・木片等金属類以外のもの)をX線画像によって発見するための装置だ。異物混入の検査と言えば、すぐに思い浮かぶのは「検針機」だが、金属製の部品や装飾、釘や金具が使われた製品だと、すべてを「異物」と判断して警報が鳴ってしまうため役に立たない。流行のラインストーンを施した製品等の検品には、X線検査が不可欠と言うことになる。

「昨今、安全・安心に対する消費者の要求が高くなっていることを反映し、納品先の基準も厳しくなっています。X線を通したという証明書がないと商品を納品させてもえらえない場合もあり、今後はますますX線検査の需要は増していくでしょう。コストが割高になっても、X線検査は外せないという風潮が進んでいます。X線検査だけをお願いします、という他社からの依頼を引き受けることもあります」
検針のプロの目を持つ女性
さらにX線検査は、異物の他に、外見から見ただけでは分からない釘折れや金具の破損等の不良品発見にも威力を発揮する。 素晴らしいスピードで検査を進めるのは、微細な異物も欠陥も見逃さない「プロの目」を持つ女性たちだ。

 「目視による検査なので、経験と商品の構造に対する知識が重要です。知らない人が見たらデザインにしか見えない異物が入っている場合もありますからね。多種多彩な商品の細かな構造まで把握していなければむずかしい作業です。需要の増大に合せて、検査機を導入する同業他社は増えていますが、弊社には、長年のノウハウと熟練のパートさんがいるので、検査の精度とスピードはまず負けないと思います。漏れなくチェックする体制が構築できているのが強みです」
パートの意見を吸い上げる 社内提案制度を現場に活かす
作業中
検査の精度とスピードを維持する上で重要なのが「集中力をいかに途切れさせないようにするか」。

そのために実施しているのが1時間ごとの交代制で、作業に従事するパートタイマーの意見を採り入れて行うようになった。
 「検査が導入された当初は、商品番号ごとの区切りに従って作業していました。一生懸命やっていたのですが、2時間とか、連続しての作業時間が長いため、目がきつい。集中力も途切れてしまうので1時間おきの交代制にして欲しいと相談し、聞き入れてもらいました。お陰で精神的にも肉体的にも楽になりましたし、作業効率や精度にも自信が持てます」 と、交代制を提案したパートタイマーの女性は微笑む。
カバンに鍵が入っている
X線検査機が導入された当初から検査に携わってきた彼女はまさに大ベテラン。
異物を瞬時に見分けてNGボタンを押すスピードは神業的だ。

「瞬間的に分かってしまうんですよね。これまで発見した異物には、バイクのカギもありました。作業された方が、なぜか入れてしまったんでしょうけど、驚きました(笑)」

同社にとってパートタイマーは大切な戦力だ。
だからこそ、その能力を活用するために、会社は知恵を絞っている。
 「弊社には、パートさんからも改善の意見を吸い上げるための提案制度があります。専用シートを用意して、パートさんの率直な意見を書いてもらい、上層部に回すシステムです。直属の上司だけでなく、所長、社長まで、3段階で見ることになっているので、意見は必ず届きます。
仕事場の照明を明るくしてほしいとか、作業用のテープの本数を増やして欲しいといった小さな改善も、積もり積もれば大きな進歩になりますからね」

前述の、交代制の導入も、そんな意見から生まれた「改善」なのだ。
トラブルがあったらすぐ改善 お客様と共に考える
実は、X線検査装置の操作マニュアルはあっても、検査のやり方に関するマニュアルは存在しない。
 「こんな形状のものが異物ですよみたいな資料はありますが、それ以上はありません。
疑わしい物の見分け方、作業の進め方などは、私たち使う側が1から構築しなければなりませんでした。
だからこそ、築き上げたノウハウや改善点は、弊社のアドバンテージとなって活かせるわけですけどね」


仕事は課題発生と改善の繰り返しだ。

「初めて扱う商品の場合、小さなトラブルは付きものですから、トラブルがあったらすぐ改善、問題があったらすぐ修正する、を繰り返して、 お客様と一緒に最適なアウトソーシングを作り上げて行くのが私たちの仕事です。完璧はありえないので、常に改善が必要だし、お客様と共に考え、取り組むことが多いです。 トラブルとは別に、それまでは当たり前だと思っていたことが、時代の流れで変わってくることもありますしね。たとえばX線検査装置が導入される前は、ハンディタイプのX線探知機で、さっと当てて検査するのが普通でした。今ではそれは通用しない。今後はさらに、精密さとスピードが要求されるようになるでしょう。大変ですが、やりがいのある面白い仕事だと思います」
terada

寺田秋夫


入社8年目。
「他社なら面倒くさいとお断りするような案件も、なんとか上手く回せるよう知恵を絞って対応するようにしています。
なかには、お客様も弊社も初めてというケースで、どう進行したらいいか悩む場合もありますが、その難しさがやりがいでもありますね」とにっこり。

趣味はサーフィンで、いい波を求め、週末は主に茨城県の鹿島あたりの海岸に出没している。
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